れいぜい ためちか

江戸後期・幕末の復古大和絵画家。 狩野永泰の子。
文政6年9月17日(1823年10月20日)~元治元年5月5日(1864年6月8日)
幼少より画を好み、古社寺の古画を研究、また知恩院の法然上人絵伝を三度臨写して土佐派を修得する。  
冷泉の姓は冷泉家に無断で名乗ったもので、公家の出自ではない。 別名は岡田為恭。 号は心蓮。
画家としての才能は優れており、障壁画や仏画に当時としては傑作といわれるほどの名画を残している。 2010年、為恭の手になる伴大納言絵詞の模写の存在が公にされた。

伴大納言絵詞

国宝の『伴大納言絵詞』は、『源氏物語絵巻』などと共に、日本の四大絵巻の一つ。   
八百余年の星霜を経た絵巻だけに、残念ながら剥落や損傷も少なくない。

為恭の復元模写

通常、絵巻の模写は、「剥落写」といって剥落損傷や虫損の部分までも細密に写し取る。
為恭の復元模写では、剥落損傷部分はもとより、彩色紋様に至るまで鮮明に復元され、大きな損傷のためにほとんど欠けてしまっている騎馬人物や、火炎を見上げる群衆の剥落した姿などが、全く違和感なく復元されている。  
しかも、国宝の絵巻を見る限りその存在すらも知られなかった人物がはっきりと描かれており、国宝絵巻の当初の姿を伝えるものとして、その資料的価値はきわめて高い。
為恭は、模写のために、幕末の世情不穏な時期に、原絵巻の所蔵者酒井若狭守の京都所司代邸にしばしば出入りしたために、勤皇の志士につけ狙われ、四十二歳の命を落とした。
この模写絵巻は、為恭が命をかけて写した作品である。

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