第44回展

内閣総理大臣賞

第44回展 賞与

MAF賞=小西純二(彫金)
内閣総理大臣賞=大平頼果(立体表現)、相澤久徳(石彫)

各大臣賞受賞作品

文部科学大臣賞=松本梨江(リエグラス) ≪左図・上≫
文部科学大臣賞=菅家彩香(プロレスアート) ≪左図・右下≫
経済産業大臣賞=株式会社LEP INTERNATIONAL 川村朋和、杉本善徳 ≪左図・左下≫
厚生労働大臣賞=中田耕一(立体造形) ≪右図・右下≫
外務大臣賞=田中マキコ(リエグラス) ≪右図・上右≫
地方創生大臣賞=木戸文右衛門(陶芸) ≪右図・上左≫

特別展示「山越阿弥陀尊来迎図」
「山越の阿弥陀図」と「死者の書」

第44回展の特別企画として東野光生画「山越阿弥陀尊来迎図」を巡回展示した。
2018年が東北大震災から7回忌であることとMAF展のテーマであるところのサンクチュアリアート構想の一環として原子力災害被災地に展示するという企画であった。

古代学者・民俗学者・宗教学者・歌人として独自な学風を構築した折口信夫が、冷泉為恭の「山越阿弥陀来迎図」から着想を得て、奈良當麻寺に伝わる中将姫の蓮糸曼陀羅伝説と大津皇子(天武天皇の第三皇子)の史実をモチーフとして小説「死者の書」を発表した。

<「山越しの阿弥陀像の画因」折口信夫より>
『・・・ある日(地震前日)、一人の紳士が集古館へ現れた。  此画は、ゆっくり拝見したいから、別の処へ出して置いて頂きたいと頼んで帰った。  其とおりはかろうて、そのまま地震の日が来て、忘れたままに、時が過ぎた・・・・どんな不思議よりも我々の、山越しの弥陀を持つようになった過去の因縁ほど不思議なものはまず少い。
  誰ひとり説き明すことなしに過ぎて来た画因が、為恭の絵を借りて、えときを促すように現れて来たものではないだろうか。そんな気がする。  ・・・集古館の山越しの阿弥陀像が一つの不思議を呼び起したというよりも、あの弥陀来迎図を廻って、日本人が持って来た神秘感の源頭が、震火の動揺に刺激せられて、目立って来たという方がほんとうらしい。  なぜこの特殊な弥陀像が、我々の国の芸術遺産として残る様になったか、其解き棄てになった不審が、いつまでも、民族の宗教心・審美観などといえば大げさだが、何かのきっかけには、駭然がいぜんとして目を覚ます、そう謂ったあり様に、おかれてあったのではないか。  だから事に触れて、思いがけなく出て来るのである。・・・』

人形アニメーション作家の川本喜八郎が、最後の作品として30年の構想を経て「死者の書」を映像化した。  万物に霊が宿っているという奈良時代の世界観を背景に、人間の執心と解脱を描くとともに、古代日本人の魂や自然への畏敬、敵味方の分け隔てなく死者を敬う考え方などを、現代人に問いかけた作品となっている。

冷泉為恭の作品は、不思議な出来事により関東大震災による消失を免れたという事実譚があり、阪神大震災の年に完成して未公開のまま秘蔵されてきた東野作品が、東北大震災から6年を経て初公開されるというのも奇縁です。

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