第42回展 内閣総理大臣賞

第42回展の内閣総理大臣賞に選ばれたのは、福島県双葉町で外国語指導助手をつとめてきた二人のイギリス人、アンソニー氏とフィリップ氏が東日本大震災と原発事故を経験して映し撮ってきた写真作品55点である。
黒白でデジタル撮影された作品は、作家の双葉町や人々に対する眼差しを感じさせる心象風景であり、プリントアウトする際も色味を加えて表現するなど味わい深い作品に仕上がっている。
加えて、毎月、帰宅困難地域となっている双葉町に出かけて作品を作り続けているという二人の撮影行為(作家活動)そのものが、モニュメントであるとして評価した。

第42回展 文部科学大臣賞、外務大臣賞
第41回展 東京都知事賞 第41&42回展 厚生労働大臣賞

第42回展の文部科学大臣賞は、相澤久徳氏の石彫作品「風を語る」が選ばれた。同氏は、昨年も文部科学大臣賞を受賞しており、2年連続での受賞となった。
御影石を素材にした一連の作品は、「中世ヨーロッパの遺跡の記憶を形而上美学を絡めて造形化したモダニズム系列の彫刻」として評価されている。
第42回展の外務大臣賞は松原匠秀氏の造型作品「横臥-再生と希望」が選ばれた。  横臥する人物をモチーフした造型作品は、1/3スケールであるにもかかわらず、その力強い構成は、サブタイトルにある再生と希望を感じさせる。
第41回展の
厚生労働大臣賞は、第41回展で安田有孝(80歳)さん、第42回展で石川静(80歳)さんが授賞。  安田有孝氏の「怒涛」は日本画にもかかわらず油彩画顔負けの迫力である。 日本画も戦後は洋画に負けじと「線」をはなれ「面」で勝負するいわゆる壁派が台頭した。 社会が安定してからは日本美術院型の描線を生かした若い作家の美しい日本画がもてはやされているが、安田氏の日本画フォーヴとも言うべき「怒涛」に横山操らの戦後日本画のエネルギーを懐かしく思い出しましたす。  石川静さんの油彩画「鎮魂歌Ⅰ」は、100号の画面に描き込まれた牛頭骨と闘牛のポスターが強く迫ってくる作品となっている。

第42回展の内閣府特命担当大臣賞(地方創生大臣賞)は、北村隆氏の陶芸作品(九谷焼)「洸彩鉢-釉金・彩銀」。 現在主流となっている九谷焼とは少し距離をおいた独特の洸彩を放つ作品であり、金と銀の扱いが繊細かつ味わい深い輝きを放っている。
第42回展の外務大臣賞は、グラスリッツェンというヨーロッパのガラス工芸を展開する神戸の工房『グラスリッツエン アト・リエ』。 ダイヤモンド粉末のついた一本のペンでガラスに描画する装飾芸術で、西欧ではグラスなどの文様を繊細優美に描く技法として伝えられてきた。 出品作品は平面ガラスに描画したさまざまな文様がすばらしく、写実的なものからファンタジックなものまで装飾工芸でありながら現代の表現芸術としても可能性豊かなものを感じる。 第43回展では、オリーブ協会賞を授賞した。

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